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【NOKTON58mmレンズ】ボケ味はトロッとした梅酒のよう

2018年09月09日

まずいレンズに出会ってしまった。

 

正直、スピードが要求される仕事では使えないだろう。

 

色の収差も気になってくる。

 

でも、でも、

「ゼッタイに手放せないレンズ」

それが『NOKTON 58mm F1.4』というレンズだ。

 

「NOKTON?ノクトン? なにそれ」

という方もいるかもしれない。

 

このレンズはコシナという長野県にあるレンズメーカーで生まれた。

 

1959年創業のコシナだから、

いかにレンズ作りの歴史が長いかわかるだろう。

 

ちなみにコシナ。

レンズ好きにはたまらないカールツァイスとも提携していたし、

他メーカのOEMもやっている言わば、

「この道一筋のレンズ職人さん」なのだ。

 

で、

この「NOKTON ノクトン」1言で言うと、「トロッと甘い梅酒」のようなレンズ。

 

ちなみに仕事で一番使うレンズが

ニコンの純正だけど、

それは「ピリッとくる生ビール」って感じ。

 

どちらも枕元に置いても良いくらい大好きで、

最近プライベートは「NOKTON ノクトン」を使っている。

 

フィルムのような優しい色味「ノクトン」

まず、色味が「淡くて優しい」

初めてニコンdfにつけて撮ったとき、

「あっ、色合いがフィルムっぽいな」というのが第一印象。

 

鮮やか過ぎず、優しい、ホワッとした雰囲気。

それでいて、色はジュワっと乗ってくる。

 

まさにトロリとした

梅酒を口に含んだかのような

まろやかな味わいだ。

 

オールドレンズの色味が好きな方で

「古いと状態が不安」

と気になるかたは

試してみるのをおススメする。

 

空気を読めるレンズ「ノクトン」

そしてボケ味。

 

ぼくは「ノクトン」を

解放のF1.4 から F2.8で撮ることが多いのだけど、

 

「空気感がすごい出る」

 

まるで、空気を写してるかのように

人、背景、物のあいだに

ホワっと空気感を溢れ出る。

 

奥行きといった方が伝わりやすいかもしれない。

これはぜひ、撮ってもらって体感してほしいところ。

 

ちなみにニコンのカメラならマウントなしで

そのまま装着できるし、

他メーカーなら、マウントがあればOKだ。

 

なぜか、

ぼくが持っているニコンDfにつけるときは

レンズの絞りリングをf16に固定しないと使えないので(笑)

絞りはカメラ側で変えている。

 

「こんなに褒めてるのに、何で仕事で使わないの!?」

その一番の理由は

オートフォーカスじゃないところ。

 

「ノクトン」は自動で

「ピピッ」っとピントが合うんじゃなくて、

レンズを「ギュイ」っとやって

目で見て調節する。

 

だから、

次々に場面が変わるスナップや

動いてるものには向かない。

 

また、

「うわ!! 最高傑作とれた!! ひゃほー」

となってもアップしたら

「ピントぼけてるじゃん」

ってことが往々にしてある(泣)

 

でもそれはデメリットだけじゃなくて、

オートなら起こり得なかった

表現が『偶然』に起こる。

 

「オートなら顔にピントを合わせてた」

「オートなら手前にピントを合わせてた」

 

「ノクトン」を使ってみると、

当たり前だった自分ルールが、いともたやすく崩壊していく。

 

で、

「こんなボケてるのもありなんだなー」

という表現が広がっていく実感があるのだ。

 

基本的に最新のカメラやレンズは

「目の前のものを正しくキレイに撮る」

ってことが根底にあるので、

どこのメーカもピント精度など競い合って進化させていく。

(オリンピック前になると、新しい機種が出る)

 

だから、新しいレンズじゃ起きにくい

『ノクトンが起こしてくれる偶然』

僕にとって『表現の発掘場』だったりするのだ。

 

さて、ここまで読んでくれた

あなたはもう準備万端。

 

「えっ、何の準備??」

 

もちろんレンズ沼をいっしょに泳いでいきましょう(笑)